第三の山男 | 夜汽車の汽笛への憧情

第三の山男

毎度ご覧いただきありがとうございます。

 

北斗星シリーズは一休みし、新規入線車の紹介ですw

 

10月末にKATOから久々に「山男」ことEF64形が発売されました。

正確にはEF64形自体はここ数年何度か発売しているのですがいずれも1000番台で、基本番台車(いわゆる0番台)車は「ずっとTomixのターン」だったのです。

しかも、前回発売時のKATOのEF64-0はオーバースケールないわゆる「旧仕様」だった上、全体的にプロポーションが縦に間延びしていてスケール通りに作られたTomix製品に比べると今一つな感じが否めませんでした。

ところが、今回発売のEF64-0はフルリニューアル品で、ファインスケール品となってプロポーション・ディテール共に大幅に改良されての登場となりました。

 



Tomixの国鉄仕様のEF64-0自体が発売から期間が経っている事に加え、Tomixでモデル化されなかった最初期の一次型ということもあってか発売と同時に市場在庫があれよあれよという間に減っていきました。

 

ところで、うちの鉄道模型ラインナップのメインは元々このブログのタイトルとなっている「夜汽車」であり、その中心でもあった夜行急行列車でした。

そのうち、中央本線を走る「きそ」はEF64-0が担当していたわけですが、実を言うと客車だけは両方とも揃っていたのです。ところが機関車についてはまだ未入線でした。

と言うのも、Tomixから発売されていたEF64-0は、同列車を担当していた篠ノ井機関区のナンバーがなく、導入を見送っているうちに市場在庫もなくなると言う事態になっていました。

ところが、今回KATOから発売された製品は、同時発売の客車セットが急行「きそ」であることもあって、うちの「きそ」を牽かせるのにドンピシャの仕様だったこともあって購入リスト入りしていました。

予算の都合でもう少し後で買おうと思っていたのですが、上でも書いた通り急速に市場在庫がなくなっていたので緊急確保となりましたw

 

さて、前置きが長くなりましたがKATOのEF64形0番台です。



タイトルに「第三の」と書いた通り、我が家では3機目のEF64形ですが、これまではいずれも1000番台だったので0番台は初登場となります。

貫通扉付きで窓上とヘッドライトに庇のついた厳ついスタイル。側面の大きなルーバーといい、勾配区間に挑む機関車らしい力強い雰囲気です。

 

改めてEF64形について概要を書いてみます。

EF64形は1968年にEF16形の後継として板谷峠を含む奥羽本線の福島〜米沢間用として登場した勾配区間向けの直流電気機関車です。

当時の新世代機関車としては標準となりつつあったバーニア抵抗制御にツリカケ駆動方式と言う堅実な構成で、勾配区間向けに抑速ブレーキを装備しているため大型のブレーキ抵抗器を搭載しているのが特徴です。一方で平坦区間での高速性能も考慮してギア比が3.83と従来(4.44)より高速寄りとなっているのも特徴で、このギア比はEF65形以降の機関車にも採用されました。設計最高速度は100km/hとなっています。

重連運転を考慮して前面には貫通扉を装備し、寒冷となる山岳区間で使用することを前提とすることから、窓上とヘッドライトにはツララ切りが装備されています。

 

前述の通り、今回発売のプロトタイプは最初期に製造された1次型。このグループは福島の難所である板谷峠用として製造され、そのため前面窓横に氷柱対策のプロテクター取り付け跡が残っているのが特徴です。

 

軽く足取りについて書いていくと、当初は福島に配属されて奥羽本線の福島〜米沢間で活躍しましたが、すぐに同区間が交流電化に切り替わったため、同じく勾配区間を擁する中央西及び篠ノ井線に転身し、同線の客車列車や貨物列車の先頭に立って活躍しました。

後年、やはり勾配区間の多い伯備線電化に伴って、一部が岡山に移って伯備線で活躍している他、同じ中央線でも中央東線にも足を伸ばす様になって首都圏でもその姿を見ることができる様になりました。

一方、関東でもう一つの山岳路線で有名な上越線方面は、福米間の先輩格であるEF16形が峠区間で活躍したほか、主に1000番台の舞台となっており、意外にも1000番台投入にむけたテスト導入を除くと0番台自体の活躍は僅かでした。奇しくも分割民営化時に一次車の3号機と8号機がJR貨物の高崎機関区に配属となっていて、数少ない上越線を含む首都圏貨物の0番台として活躍したようです。

 余談ですが、同じEF64でもEF15形やEF58形を置き換えるために登場した1000番台は基本仕様こそ同じですが中身は別物で、元々別形式として設計されたものが労組の反発を反らすために同じEF64形にしたという経緯があったりします。このため登場後暫くは0番台が中央線系、1000番台が上越線系と使用路線も異なっていましたが、国鉄末期や分割民営化後は仲良く同じ路線で活躍する姿も見られるようになりました。


さて、EF64形0番台の最大の檜舞台はやはり中央本線の貨物列車でしょう。

特に重連で重いタンク貨車を引っ張って勾配を駆け上る勇姿は最大の見せ場だったと言えそうです。

一方で、旅客列車については比較的地味な役割で、普通列車や荷物列車が中心でした。その中でも「華」と言えるのは中央西線の夜行急行「きそ」「ちくま」でしょうか。「きそ」はグリーン車こそないものの、郵便荷物車にAB寝台と客車の揃い踏みの編成は夜行急行らしさ満載の貫禄でした。また「ちくま」は12系+20系や12系+14系となかなか興味深い編成を組んでおり、ブルートレインを思わせるなかなか見た目華やかな編成だったと言えるでしょうか。

また、分割民営化後にはJR東日本でブルートレインの「あけぼの」や「北陸」も牽引しています。

 

模型の方ですが、流石に今時のKATO製品らしく、プロポーション・ディテール共に文句ない出来です。

市場在庫があっという間に消えたのも納得ですw



パーツは今時のKATO製品らしく少なめで、ナンバープレートとナックルカプラーくらいのものです。このところ手摺りやホイッスルが別パーツとなっているTomix機の入線が続いていたので、非常にシンプルな感じがします。



国鉄時代の仕様であるため列車無線アンテナはありません。

入線整備はカプラーの交換とナンバー・区名差しの貼り付けのみ。あっという間に終わりましたw

「きそ」や中央・篠ノ井線ローカル列車運用をメインとするため、番号は1974年当時篠ノ井にいた8番にしました。

 

サイドビューはこんな感じです。


標準的な国鉄機関車のスタイルながら、大型のフィルターが並ぶのが、いかにも山の機関車らしい勇猛な雰囲気です。
平坦線向けのEF65形より一回り大きいのも特徴です。
ちなみに、EF65はこんな感じです。やはりだいぶ印象が異なりますねw

同じEF64でも1000番台はこうなります。
側面は全く異なるのが判りますねw
機器配置や側面形状が異なるだけでなく、実車も車体長・幅共に一回り大きくなっています。


最後に我が家のEF64並び。迫力ありますねw

こうやって比べてみると、ゴツさマシマシの1000番台に比べると0番台はスマートな感じもします。

 

今回はこれで終わりですw

次回はまたもや「新規入線となった青い車両」を紹介しようと思います。