続・Yokohama Navy Blue なイカした奴がやってきた | 夜汽車の汽笛への憧情

続・Yokohama Navy Blue なイカした奴がやってきた

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横浜の地方大手私鉄に過ぎなかった相模鉄道は、2019年11月30日にJR線埼京線との相互直通運転を開始ししました。

JRは埼京線用のE233系7000番台を7編成増備。一方、相鉄は「Yokohama Navy Blue」(以下YNB色)と呼ばれる光沢の入った渋い濃紺のボディーに上質感漂う車内、強烈な印象を残すシャープな前面形状の12000系を擁して副都心の新宿駅にデビューすることになりました。

 

 

それを受けて、2020年夏にTomixから相鉄12000系が早速発売されました。

実物のスタイルの良さと模型の出来の良さから比較的すぐに売り切れた様で、かなり好評だったことが伺えます。

自分も購入予定だったのですが、この頃「北斗星」客車の大量入選に予算を取られてしまい、見送りとなってしまっていたのでした。

そして、「北斗星」の増備も一息ついた頃にはすでに在庫はなく、ちょうど今から1年くらい前に横浜にある某模型店に行った際に見つけてしまい、衝動買いしたのがこちらでしたw

 

 

 

伝統の直角カルダン引き継ぎつつもそれまでの相鉄とは一線を画し、色々模索した感のあった9000系。ヨコハマネイビーブルーを纏った電車の第一弾となり、廃車になった1編成を除いて全てがこの装いとなって、相鉄線内でスマートな外観とは相反するようなツリカケ駆動の電車のような雄々しい唸りを上げながら活躍しています。

 

その9000系が入線した時に書いた記事がこちら・・・・

 

さて、それから月日がたち、今年夏に前回の記事のサムネを飾った12000系が、Tomixから異例の早さで再生産されました。しかも今度は新型のM-13モータ装備での再登場です。

前回は「北斗星」客車に押し流されてしまった相鉄12000系ですが、今度はちゃんと入線してきました!

 

 

 

前回発売から今回発売にかけて実車の方が細かな表記位置などの変更があり、動力も改良品となったことで結果的に良かったのかなとも思っています。

 

昨年入線した9000系は異例の電車でしたが、今回入線してきた12000系は最近の相鉄の傾向からすると比較的正統派な電車です。

 ここで、軽く12000系について解説しましょう。

 

時は遡ること2002年。相鉄はそれまでからすると異例中の異例とも言える電車を導入しました。それがJR東日本E231系をベースに開発された10000系です。

それまでかなり他者と比べると独自色の強い仕様になっていた相鉄の電車ですが、2000年頃には鉄道業界全体で開発・製造コスト削減を目指して車両メーカー標準設計の車両を入れる流れが強まっていました。その一貫で相鉄に導入されたのがこの10000系だったというわけです。

当時から現在の羽沢横浜国大駅を通じてJR線経由で都心に乗り入れる「神奈川東部方面線」プロジェクトが持ち上がっており、乗り入れ車両もモデルとしてほぼJR東日本のE231系そのままの仕様である同形式が導入されたという側面もあったと思われます。

その後、JR東日本でE233系が開発されたのに応じて、JRと共通規格として乗り入れを見据えた車両として、ほぼE233系と同一設計の11000系が導入されました。

以後、「神奈川東部方面線」プロジェクトが具体化していくにあたり、おりしも、相鉄100周年を絡めて「相鉄デザインブランドアッププロジェクト」が立ち上がり、車体内外の意匠を統一ブランド化することになったことから、11000系に引き続きJR乗り入れ対応としてE233系をベースとしつつも最大限にブランドイメージを取り入れた電車がこの12000系ということになります。

なお、11000系も乗り入れ対応車として製造され準備工事も一部行われていたものの、E233系0番代を基本として製造されたためか、乗り入れ先の埼京線のE233系7000番台とは機器配置などが異なっており、乗り入れ対応とするにはそれなりに改造コストがかかることが判明たため乗り入れ対応工事は行われず、12000系のみで乗り入れを行うこととなりました。

 

さて、「相鉄デザインブランドアッププロジェクト」に伴う「ヨコハマネイビーブルー」の外装にモノトーンの内装で上質なイメージとなった電車は、9000系リニューアル車を第一弾とし、東急乗入れ向けの20000系が第二弾、そして、JR乗り入れ向けの12000系が第3弾となりました。

足回りは乗入先のE233系7000番台をベースとしつつも、車体はE235系をベースとしつつも総合車両製作所のsustinaシリーズのうち、東急2020系等と同様の窓枠およびドア枠が目立たないものとなり、さらにオールラッピングとなったため一見ステンレス車とは思えないような外観となっただけでなく、前面は20000系同様の「獅子口」をモチーフとした力強いデザインとなり、これまでの通勤車両とは一線を画す様な風格のあるものとなりました。

 

うーん、見事なゴツ面。
しかし、カッコいいですね!

 

室内は先行の20000系同様、6000系以来の相鉄電車の特徴だった室内の鏡が復活したほか、モノトーンでまとめられたインテリアや独特の形状のつり革など、とてもE233系ベースとは思えない独自色の強い電車となりました。

照明はスリット型のカバーが付いた半間接照明となっていて、9000系や20000系で導入した時間帯により色温度が変わる仕組みも搭載。早朝や夜間は白熱灯のような暖かい色合いの照明になります。

 

足周りは上述のとおり、乗り入れ先のE233系7000番台がベースになっています。モーターは140kwのMT75系、インバータは三菱設計のSC85系、台車は軸梁式のDT71系/TR255系となります。(実際にはそれぞれST-が頭に付く)

設計最高速度は120km/hとなっており、相鉄線内では宝の持ち腐れ感がありますが、乗り入れ先のJR線では武蔵小杉ー西大井間で120km/h走行を行い、性能をフルに発揮することとなりました。なお、同じく120km/hを出すE233系3000番台(近郊タイプ)ではヨーダンパが台車にとりつけられていますが、相鉄12000系は通勤タイプのE233系同様付いていません。

起動加速度はスイッチで3.0km/h/sと2.5km/h/sが切り替え可能となっており、相鉄線内では3.0、JR線内では2.5となっているようです。

 

さて、ここでデビューから現在までの足取りを振り返ってみましょう。まだまだ新しい電車なのでそれほど多いエピソードはない・・・・と思いきや、なかなか面白いエピソードを持った電車になっていますw

相鉄12000系は乗り入れ開始前の2019年4月にデビュー。同年7月に12101F(公式には12101x10となりますが、本記事では便宜的にFと表記します。)が未明に試運転で品川に乗り入れたのを皮切りにJR線への乗り入れを果たします。試運転は主に品川ー西谷間で行われましたが、やがて本来運用する予定であった新宿ー西谷での試運転も当然ながら行われたほか、イレギュラーを見越してか埼京・川越線の大宮や川越のみならず、担当乗務員の所属の都合上か、実運用では入らないであろう東海道本線の根府川や湘南新宿ライン経由で東大宮操車場まで足を伸ばすなど話題になりました。

試運転には行先表示LEDに同社のマスコットキャラクターである「そうにゃん」が表示されたほか、運転席「そうにゃん」のぬいぐるみが置かれて、相鉄の広告塔としての役割もしっかり果たしていますw

一方で、老朽化する7000系の取り替えも兼ねていたことから順次増備が行われ、乗り入れ開始前に5編成が用意され、自社線内での運用でも活躍していました。

2019年11月30日、いよいよ相鉄・JR直通運転が開始され、12000系はほとんど直通運用に充てられるようになりました。JRとしては異例の通常の通勤形電車による、地下鉄を介さない大手私鉄との相互直通運転ということもあり、注目を浴びることになりました。(地下鉄を介する例では、2016年より千代田線を通して常磐線と小田急線の例が見られます。)ネイビーブルーのスタイリッシュなフォルムと上品なモノトーンの室内は一般の方にも好評な様で、運行開始から暫くはツイッターで「おしゃれな紺色の埼京線見た!」などのツイートが見られました。直通開始後の2020年2月には1編成増えて6編成体制となりますが、所定運用は直通運用4つのみで、予備2本の体制となりました。このため、日中は西谷ー横浜間やいずみの線で活躍する姿を捕まえるのは難しくなってしまいました。もっとも、直通運用のうち2つは朝方横浜方面やいずみの線の乗り入れもあるほか、予備となる2本のうち1本は他車の穴埋めで運用されることが多いので、全く見られないというわけでもありません。

運用開始直後の12月2日に早速ダイヤ混乱により大宮まで顔を出し話題となりましたが、その後は相方のE233系7000番台が相鉄横浜や湘南台まで顔を出して相鉄線内を走り回るのと対照的に、頑なに新宿までの運用となっていました。一方で、羽沢横浜国大ー西大井間走行中の列車が埼京線内のトラブルにより品川まで営業運転で運行したり、相鉄線内のトラブルにより自社線へ戻れず、横須賀線経由でJRの横浜駅へ営業運転で現れたこともあります。特にJRの横浜駅へ入線した際には横須賀線ホームに入り、並走する自社線を横目に折り返し設備のある保土ヶ谷まで走行し話題となりました。

さて、直通開始以来基本的に新宿以南の運用となっていた12000系ですが、2021年3月改正で朝ラッシュ時の2本が池袋まで延長となり、恒常的に池袋まで顔を出す様になりました。うち1本は板橋の電留線で折り返す運用となっており、日常的に東武東上線の電車と肩を並べる姿が見られる様になりました。

新型コロナウイルスの影響もあって、残念ながらJR・相鉄直通線の利用率は今ひとつの様ですが、12000系は今後も副都心に顔を出し、相鉄の広告塔として活躍すると思われます。

2022年度には東急線との乗り入れも始まり、現在自社線内運用についている20000系や21000系は直通運用に割り当てられるため、運行体系が今後大きく状況が変わる可能性もありそうです。12000系の運用にどのような影響が出てくるのか、非常に興味深いところであります。

 

さて、模型の方ですが、上でも書いたとおり2020年夏にTomixから初回品が発売されましたが、好評だったのか2021年5月に早くも再生産されました。動力ユニットがM-13モーターに仕様変更されており、今回入線したのは改良再生産品ということになります。

 

 

前面はこんなかんじです。特徴的な形状がしっかり表現されています。

ここ最近のTomixは造形がかなり実車に近いものになっていますが、この相鉄12000系でも存分に発揮されている様に思います。

前面の行き先表示は交換可能式ですが、かなり奥まっている上に外れやすく、一度床板を外すと高確率で飛び出してしまうので、(はめ込む時にパーツが擦れる振動でも飛び出してしまい、無事にはめようとするとかなり手間がかかってしまう)一部カットした上で手前側の窪みに両面テープで貼り付ける様にしました。これで見栄えと取り回しの良さを確保しています。

ナンバーはインレタによる選択式ですが、付属品のナンバーは透明ベースが目立ってしまうので、世田谷総合車両センターさんのインレタを使用することにしました。ちなみに、純正のインレタにはない12103Fとしています。

ATACSのID表示も前面のアクセントの一つとなっていますが、こちらは実車の方が2020年12月頃までは運転台側のコンソールパネルに貼り付けられていたものが、それ以降は助手席側の窓ガラス裏貼りに変更されています。模型でも最新の位置の方に合わせてあります。

 

 

 

サイドビューはこんな感じです。実車の特徴をよく掴んでいて、プロポーション・ディテールともにバッチりです。欲を言えば、もう少し窓が緑がかっているよかったかなーと言ったところでしょうか。

付属のインレタは号車番号、車両番号、フリースペースくらいのものですが、世田谷さんのインレタを使ってドアや窓のステッカー類、ドアコック位置表示なども付けました。

かなり多いので手間がかかりましたが、おかげで実車通り賑やかな感じになったと思いますw

行き先表示には世田谷さんのものを使いました。



先頭車の屋根上はこんな感じ。列車無線アンテナに加えて、WiMaxアンテナやATACSアンテナもあってかなり賑やかです。クーラーの銀色もいい感じですねw

 


シングルアームパンタは形状が良く、さすがと言ったところ。ただし、KATOよりやや繊細で壊れやすい感があります。
 

 

同僚となった埼京線のE233系と臨海70-000形との並び。大崎ー新宿間では臨海車と相鉄車だけの並びが見られることもあり、一体どこの会社の路線なのか分からなくなることもありますw

(なお、70-000形は入線直後につき未整備です・・・・)

 

 

最後に我が家の相鉄並び。大先輩の旧6000系(左端)から見るとかなりデザインの変化が見て取れます。

オッサンな自分の中での相鉄は6000系のイメージがまだ強いこともあって、12000系を見ると時代の移り変わりを感じざるを得ませんw

 それにしても、我が家の相鉄ラインナップは時代が極端ですな。7000系や8000系も欲しくなってきますねw

 

以上、相鉄12000系の紹介でした!

 

 

現在色々書いており、次回は未定ですw